Welcome home, my blue
この記事はぽっぽアドベント14日目の記事です。
14日目を担当するはるです、よろしくお願いします。
さあ、今年もぽっぽアドベントの季節です。
はとさん、今年も開催ありがとうございます、お疲れ様です。
ぽっぽアドベントが始まると、今年も終わるね~!という気持ちになりますね。師走、皆様いかがお過ごしでしょうか。わたしは忙しいです。忙しいけど毎日ぽっぽアドベントあるから!毎日絶対楽しいことがひとつあるって最高ですね。
毎年こんな楽しい企画を開催してくださって本当にありがとうございます。
はとさんから連絡をいただいた時、嬉しくてわりと即返事する勢いでしたね。ちなみにこちらは去年書いた記事。
今年のテーマは「私の望みの歓びよ」。
「私の望みの歓び」って何だろう…とちょっと考えてみて、今年好きになったものが結構あったのですが、「歓び」ってわたしにはもうこれしかなかったです。
それは、「最愛の推しがステージに帰ってきたよ」ということ。
その人は、BTSのSUGAこと、ゆんぎさん。
その中でも触れましたが、2020年11月に長らく抱えていた怪我の後遺症のため左肩手術を受け、療養のためしばらく6人で活動していました。
年末の授賞式・音楽祭典番組の出演は6人で行われ、スピーチにゆんぎさんが電話で参加したり、パフォーマンスではいなかったり、事前に撮影した3Dで6人と同じステージに立つ映像が流れたり、あとはそう…雪だるまになったり…(パフォーマンス中、彼が歌う場面でマイクセットされた雪だるまが映し出された)、いなくてもリアルタイムで観賞してWeverseに連投し、「通知がパフォーマンス映像にかかってうるさい」と(わたしに)思わせてきたり…(同じ時間に観てるというのが嬉しくてにやにやしましたが)
いない間も不在の寂しさを埋めるかのごとく繰り出されるあれこれのお陰で、彼がいなかった期間があっという間に過ぎたような気がします。
リハビリのために収録時不在のこともありましたが、徐々に仕事に復帰し、5月21日、Butterカムバックできっちりパフォーマンス復帰してきました。
Billboard Music Awards2021で初パフォーマンス。
Butterカムバ期もずっと嬉しかったことを憶えてるんですが、復帰してから一番嬉しくて泣いたのは、10月のオンラインコンサート「Permission to Dance On Stage」を観た時でした。
といっても、その前の6月にもオンライン公演「小宇宙」(ファンミーティング)が2日続けてあって、その時に既に踊ってたので、10月のオンコン観るときは正直「戻ってきた」という感覚は特にありませんでした。
Black Swanを観るまでは。
この曲は振付がかなり大変で、ゆんぎさんの肩にだいぶ負担だったという話を、術後のVライブ配信で本人がしていました。その話を聞いてからあの曲のパフォーマンス映像を観るのがなんとなく辛く感じるようになりました。MVもカムバ期音楽番組でのパフォーマンスも。特に好きなパフォーマンスの曲なんですが、ここ1年は過去映像もあんまり観なかったし、年末番組に出た際のすごいパフォーマンスはゆんぎさんが不在だったのがあって、めちゃくちゃ好きだけど当時は手放しで感動できなかったのを覚えています。
そんなBlack Swanを、復帰後初めて7人で踊った。
袖に羽がついた衣装のバックダンサーたちがステージにあがる。彼らのフォーメーションはまるで大きな一羽の鳥のような姿。そして隙間からひとり、またひとりと現れるメンバー。圧巻のパフォーマンス。
そしてダンサーたちがいなくなったステージで、静かに立つ7人。音が鳴って、羽が落ちていくように手を落としていくその姿を見た瞬間、涙がこぼれました。
ああ本当に、帰ってきたんだなと。
パフォーマンス復帰からはもう何カ月も経っていたし、彼が踊るたび泣いた時期も、マイクを左手で持ってて泣いた時期ももうとっくに過ぎていたけど、わたしの中で「このパフォーマンス」を観れた時が「戻ってきた」という気持ちを一番強く感じた瞬間でした。
というのが、12月3日を終えるまでの一番の「歓び」だったわけですが、このアドベント記事を書き始める前に「歓び」の出来事がもうひとつ増えました。
それはBTSのオフライン公演の配信を観た時のことです。
10月オンライン公演の後発表されたLAでの有観客・オフライン公演。
その報せを目にした時、素直に「嬉しい」と思いました。自分が観に行ける可能性はゼロでしたが、彼らが2年ぶりに直接ARMYたちの前でパフォーマンスができる、直接声援を受け取れる、そして彼らの公演を直接目の当たりにできるARMYたちがいる。それが本当に嬉しいと思ったんです。
ほんとはちょっと…仕事辞めよかな~!とも思いましたけど…1カ月くらいあれば引き継ぎとか…なんとか…って本気で考えました。しませんでしたが…
LA、ちょっと行こかな!の距離ではなかったですね…
公演は全部で4公演、そのうちオンライン配信があるのは最終日の12月3日。
メンバーは11月真ん中あたりで渡米し、TLにはちらほらとチケット確保した人のツイートも流れてくるようになって。お祭り!って感じがしてこちらもウキウキしてました。
当日もウキウキ、してたんですけど、初日公演後に会場にいた記者やファンがtwitterに投稿した映像がTLに流れてきて、それをぼんやり眺めながらじんわり自分の中に「嬉しい」の気持ち以外の感情が湧いてることに気づきました。ああこういうの、やだな~自分が嫌だなって思う感じ。小さな画面越しに観る景色は本当にいま同じ世界線なのかな、って思うくらい、たくさんの人、光、歓声が溢れかえっていて。そしてそれを一身に浴びて輝き、最高のパフォーマンスをする7人の姿があって。
あの中にいる人たちは、わたしが喉から手が出るほど望んでいる世界にもう帰れてるんだな、自分はまだ”ここ”に取り残されてるのにな、と思ってものすごく悲しくなっちゃって。自分の好きな人たちがこの2年間どれだけ辛い思いをしてたのか、オンライン公演のたび感じてきたはずなのに。歓声の中で公演したいと思い続けながら、空っぽの客席の中カメラに向かってずっとプロフェッショナルなパフォーマンスを披露し続け、観る人に希望を届けてきてくれた彼らが今、それを叶えているのに。そして、このパンデミック禍でみんなそれぞれに辛い時期を過ごした人たちがそこで楽しんでる。それを心から嬉しいと感じてるはずなのに。
そういう気持ちに気づいてから、正直、最終日のオンライン配信を心から楽しめる気がしませんでした。もう、画面越しから受け取れるエネルギーだけじゃ自分を励まし続けることなんかできないとも思ってました。
そんな風に落ち込んでたら、2日目公演の後にゆんぎさんがVライブ配信をしてくれて(というか毎日誰かしら公演後にホテルから配信してきたんですけど、以前のログとかで知ってたけど実際体験するとテンパりますね)。30分ほどの配信の最後に、こんなメッセージを残してくれました。
そしてこの公演を待ってる全世界のたくさんの方々、僕たちが必ず会いに行きます。必ず会いに行くのであまり悲しまずに。本当に僕が"Telepathy"という曲を書いた時そういう気持ちだったんです。「大したことはないよね、痛いところはないよね」という。本当に会いに行くのであまり悲しまないでください。"Telepathy"の歌詞を考えながら本当に少しだけ待つだけだと思ってくださればと思います。
いや~なんでこのタイミングどんぴしゃなの?!って思いました。実は2日目公演の日記者会見があって、そこではジョングクもこの公演に参加できないファンに伝えたいメッセージはと問われて言及しているし*1、配信中に行けない人たちのコメントとかも読んでたんでしょうけど、今の自分が欲しかった言葉をどんぴしゃでくれて泣いてしまいました。
"Telepathy"という曲、韓国語のタイトルは「しばらく」という意味の"잠시"なんですけど、この曲はゆんぎさんが書いた曲で、彼のパートの出だしが言及している「大したことはないよね、痛いところはないよね」と相手を気遣う歌詞なんです。
この曲が収録されているミニアルバム"BE"は、昨年パンデミック禍にリリースされていて、ゆんぎさんはいつかまたツアーで世界中を回れた時、その土地その土地で「みんな元気でしたか?」と声をかけたいと思いながらこの曲を書いたのかなと思うと、ほんの少しだけ元気を貰えました。
そんな風に貰った元気を噛みしめながら過ごした数日ですが、自分が配信を心から楽しめるのかは正直分からず、しかも配信当日は仕事を休めなかったので気持ちの整理もつかず…なんとか仕事を片付けてダッシュで早退して画面の前に待機したので、なんかもう、心の中はわりとぐちゃぐちゃになってました。「全然楽しめなかったらどうしよう…」って。
でもそんなの、始まったらただの杞憂でした。
知らなかったんですよね、わたし。リアルタイムで観る有観客でのBTSのパフォーマンスが、どれくらいエネルギッシュなのかって。たとえそれを受け取る側が画面の向こうにいたとしても。
今まで有観客公演って過去映像でしか観たことがなくて。パンデミック禍前にファンミーティング公演のディレイビューイングは観たことあったけど、それ以外は円盤でしか観賞したことなかったし、あとはもうリアルタイム公演はぜんぶ無観客オンライン公演だったので、これは初めての経験だったわけです。
もう、すごかったです。筆舌に尽くしがたく凡庸な感じになっちゃうんですけど。
この公演って、途中挟まれる映像やセットリスト、衣装なんかも基本的には10月にあったオンライン公演と同じだったんですね。けど、全然違いました。1曲目のONからかなりハードなセットリストなんですが、歓声を浴びながら歌い踊る7人はめちゃくちゃに輝いてて格好良くて、抱えてたもやもやを気にする余裕もなく楽しんじゃいました。すごかったんですって本当に…
中盤、"BE"に収録されているリード曲"Life Goes On"を歌いながら楽しそうにはしゃぐ7人を観てて、MVの最後の映像を思い出しました。
空っぽの客席を背に歌っていた曲を、たくさんの観客の前で歌う姿が本当に幸せそうで…あの曲を初めて聴いてからずっと観たかった景色が嬉しかった。
公演も後半に差し掛かり、メンバーがトロッコに乗ってアリーナ席の前をぐるっと回るターン。
"Telepathy"が始まった時、それまでは観客席を見まわして手を振っていたゆんぎさんが「大したことはないよね、痛いところはないよね」と歌いながら配信用のカメラの方を向いた。「これは君のための歌」と歌いながらカメラに向かって手を伸ばす。「画面越しに観ているあなたのための歌でもあるよ」と言わんばかりに。
それを目の当たりにした瞬間からアンコール終わるまで、ほんとに涙が引きませんでした。この人は、本当に…なんて人なんだろう。なるべく誰のことも零さないようすくってくれる人だなって。たとえ画面越しだろうと、ちゃんと問いかけにいくよと言われているような気がして胸がいっぱいになった。
たたみかけるようなアップテンポの曲たち、熱と気迫をもって本編を締めくくり、穏やかに楽しむような選曲のアンコールへ。"HOME" "Mikrokosmos"、BTSとARMY、互いの繋がりをしっかりと示すような2曲をオンライン配信日のアンコールにもってくるあたり、ものすごく愛を感じました。『帰る場所があるからこそ外へ出ていける、ここが僕たちのHOME』『互いが見た互いの光は最も暗い夜に輝く星』そういう、愛のメッセージが込められた2曲。
最後の曲前、それぞれのメントを終えて、ラスト曲は"Permission to Dance"。
歌い始める前にリーダーのRMが「オンラインの皆さん、皆さんのいるところが僕たちのステージです」と言った。その言葉が、何よりもすとんと落ちた。
2年間無観客状態、カメラに向かってパフォーマンスし続け、そのモチベーションを保つことが難しくなっていた7人が、いまその瞬間歓声を一身に浴びて歓びに満ちている7人が、画面越しに観ているわたしたちがいる場所も”ステージ”だと言ってくれたことが、本当に嬉しかった。
わ~本当に、終わっちゃうなあと思った瞬間、まったく予想外だったイントロが聴こえた。
エッ?!と思った瞬間、Coldplayボーカル・クリスが登場。
いやマジ、ほんとに????って叫びましたね…嬉しかった…メンバーもみんなすごい楽しそうでした…ジンくんとかクリスと手繋いでたし…こんな幸福が満ちているステージ、ある?ってくらいに…まばゆくて愛おしい時間でした。
"You, you are my universe
And I just want to put you first
And you, you are my universe
And you make my world light up inside"
アンコール2曲の流れにぴったり…そうかそれもあっての選曲か…?そして歌い終わると光の速さでハケていくクリス。すごい、ほんとに「エッ?もういない」って驚いた。
客席を目に焼き付けて名残惜しそうに去っていく7人を、わたしも目に焼き付けました。彼らがあんな風に幸せそうにパフォーマンスするのを次いつ観れるのか分からなかったので。
と思ったのもつかの間、配信終わりに画面に映し出されたのは、2022年3月の韓国でのオフライン公演のお知らせでした。
今度は本国で、彼らが一番待ってた場所で。それがすごく嬉しかった。
たぶんわたしはそれにも行けないと思います。今回もオミクロン変異株の影響で隔離措置が適用されたりしてるし、急な事態に対応できないと思うので。
でも今度こそ、本当に心から喜べる。もう大丈夫だって分かったので。
たとえ画面越しだって「元気にしてますか」と歌で問いかけてくれる彼らが、わたしに最上の「歓び」を与えてくれると、分かったので。
今年もなんだかんだ、BTSにいっぱい愛と希望とエネルギーを貰った1年でした。推しの存在って、こんなにも活力になるんだな、としみじみしています。
精神的な面でも結構助けられたんですが、それ以上に社会問題について向き合うエネルギーもたくさん貰っています。
人種差別問題にグループとして声を上げたり、メンバーそれぞれ寄付をしたりチャリティーグッズを身に着けたりと積極的に行動する彼らと出会って、自分も大きく変わりました。今年のゆんぎさんの誕生日をきっかけに(お祝いの寄付先として)、少額ですが朝鮮学校への定額寄付を続けているし、日韓問題に関する本も読んだり勉強会のオンライン配信を受講したりしています。去年に引き続き今年もすごく影響を受けました。
「嬉しい」「楽しい」「幸せ」だけがわたしにとっての「歓び」じゃないのかも、と思います。歓びを与えてくれる存在を愛で応援する時に避けてはいけないこともあるわけで…それらと向き合うきっかけをくれたのは、紛れもなくBTSです。そんな彼らを好きでいる限り―たとえいつか好きでいることをやめたとしても―問題を解決すべきマジョリティ側にいる人間として、向き合い続けたい、と今年は特にそう思いました。
ちなみに12日担当の空尾さんが書いたアドベント記事もBTSについてだったんですけど、めちゃくちゃ、めちゃくちゃ良かったんでぜひ読んでみてください…わたしも思います、彼らを好きでいることと差別や歴史問題と向き合うことは両立するって。
明日15日の担当はきやまさんです!
いつも素敵な絵を描かれるきやまさんなんですが、アドベント記事の文章も楽しみです…!
ぽっぽアドベント2021、今年も本当に素敵な記事ばかりだし後半の皆様もすごく楽しみな方ばかりなので、ぜひぜひ毎日読んでみてくださいね~!
長くなってしまった記事、最後まで読んでくださってありがとうございます。
皆様、よいホリデーと年末年始を過ごしてください。