わたしが動かされたもの

みなさま、初めまして。はると申します。

この記事は、ぽっぽアドベント12月10日分です。

 

私が動かされたもの Advent Calendar 2019 - Adventar

  

 

はとさん、素敵な企画をありがとうございます。毎日のように、胸に刻んでおきたい・折に触れて思い返したい宝物のような文章が読めて幸せな2019年最後の1ヶ月を過ごしています。

小学生の時、兄の学年に家族で欧州に引っ越した子がいて、その子が日本に帰ってくるまで毎年全学年(過疎地域だったので1学年多くて15人程度だった)にアドベントカレンダーを贈ってくれて、みんなで交代で開けていたのがわたしのアドベントカレンダーの最初の思い出です。小さなチョコレートが入ってる、あのわくわく嬉しい気持ち。

  

 

わたしが「動かされたもの」として選んだのは「HiGH & LOW THE WORST」、そして初めて観てから10日後に作品内で村山良樹を演じている山田裕貴くんの舞台「終わりのない」を観に行ったことです。この2つの作品と、山田裕貴という役者に心動かされた話をします。

 

 

「HiGH & LOW THE WORST」を観るまでのわたし


「HiGH & LOW THE WORST」(以下ザワと書きます)を観たきっかけは、10月にぽっぽアドベント主催のはとさんとごはん食べた時にハイローのプレゼンを受けたことです。

 

この時のわたしには想像すらできませんでした、この1ヵ月後、ザワを観たその日から毎日Huluで配信されている(なんて手厚いんだ)ハイローシリーズを狂ったように観(書いてる現在もまだ毎日好きなシーン観てる)、近隣映画館の上映が終了するまでに計4回ザワを観に行くようになるなどとは。

 

それまではTLでよく見かける「琥珀さん」「鬼邪高(読めなかった)」のワードをうろ覚え、「林遣都くんが片輪走行している車のボンネットに乗ってる」画像を見たことがあるくらいで、ハイローだけでなくLDHグループについても「岩ちゃんはLDH所属・グループは分からない」くらいの知識しかありませんでした。会社の後輩に三代目J SOUL BROTHERSですよって教わりました。ちなみに歌ってると思ってた。この前歌番組観て衝撃を受けました、踊ってた。

 

ちなみに片輪走行のシーン、無事ハイロー3作目(HiGH&LOW THE MOVIE 3 FINAL MISSION)観て確認したんですけど、なんで片輪走行してるのかはよく分かりませんでした。でもアガるシーンだった。

 

そんなわたしがはとさんからのプレゼンを受け、「鬼邪高(おやこう)」が読めるようになり、「村山」「轟」「USB(プレゼンしてもらった会でかなり盛り上がった)」等のワードを覚え…TLでハイローのツイートを見かけると「分かるぞ…」とにこにこするようになり…これは観た方がいいのでは、とぐずぐずしていたところに他のフォロワーさんにも背中を押され、上映館数も少なくなった11月13日、ついに初めてザワを観ることとなるわけです。

 

 

「HiGH & LOW THE WORST」を観る

 

観てなくてこれ読んでる人のためにあらすじを載せておきます。

 

“漆黒の凶悪高校”鬼邪高校。そこは定時制と全日制に分かれ、定時制の番長・村山良樹が鬼邪高校の頭を張っていた。鬼邪高の全日制に転入した花岡楓士雄は、いつか村山にタイマンを挑むべく、全日制の天下をとる野望を持っていた。全日制は、実力トップの強さを誇る轟と芝マン、辻の轟一派、二年を仕切る中越と一年を仕切る中岡が率いる中・中一派、狂った戦い方で成り上がる泰志と清史が率いる泰・清一派、楓士雄と幼馴染の司と手下のジャム男が仕切る司一派ら、新世代が覇権を争う戦国時代を迎えていた。一方、やや離れた街・戸亜留市では、幹部以外全員スキンヘッドの最強軍団、鳳仙学園が勢力を強めており、リーダー・上田佐智雄を筆頭に、小田島、沢村、仁川、志田の四人からなる鳳仙四天王[通称・小沢仁志]と幹部のサバカンが、過去最強の布陣を揃えていた。そんな中、鳳仙の生徒が鬼邪高を名乗る者たちに突然襲撃され、時を同じく鬼邪高の生徒も鳳仙を名乗る者たちに襲われる事件が発生。仲間が襲撃されたことをきっかけに両校互いに敵対心を募らせてゆく。個性派揃いだが圧倒的力を持つ鬼邪高校、一枚岩に組織化された鳳仙学園——。夕暮れの河原で両校がぶつかり合う、世紀の頂上決戦が幕を開ける!

(HiGH & LOW THE WORST HPより)

 

 


映画『HiGH&LOW THE WORST』公開記念 【アクショントレーラー】

このトレーラーめちゃくちゃ好き。

 

これまでのハイロー映画シリーズは、SWORD地区が舞台で、ザワはその中の鬼邪高にフォーカスを当てた作品です。

 

始まるまではとにかくずっと緊張してました。なんせ普段自分が観てないジャンルだし、ハイローシリーズだけでなく、今回コラボしているクローズシリーズもまったく知らない初心者のわたし…分からなさ過ぎて置いてきぼりをくうんじゃないか、もしくはノれなくてしょんぼりした気分で劇場を後にするんじゃないか…等々、ぐるぐる考えてちょっと逃げ出したい気持ちだった。

しかしそんな不安も、冒頭のスキンヘッド集団が地下鉄からぞろぞろ降りてくるシーンを観て吹き飛びます。そのインパクトたるや。めちゃくちゃ過ぎて半ば強制的に気分を引き上げられるし、あんなに大勢で地下鉄乗って喧嘩しに行くの?といきなり頭の中にハテナが飛び交います。ど頭からこれなら、この後もたぶんいっぱい疑問が散りばめられているんだろうな、もう気にしなくていいかな、という気持ちにさせてくれるあの冒頭、最高です。

 

派閥やそれぞれのキャラクターについて分かりやすく説明してくれるキャラ・鬼邪高のジャム男くんと鳳仙のサバカンのお陰で都度理解しながら観ていられました。ジャム男くんにいたっては黒板に関係図描いて説明してくれる、すごく助かる。(どちらも食べ物のニックネームなのが良い。)ザワから入るお客さんにも手厚く優しい。

 

そして何より喧嘩のシーン、凄まじいレベルのアクションで、どこ見ても最高の喧嘩が画面を埋め尽くしてる。(さっき貼った動画観てもらうのが一番伝わるので是非観てください。)団地のシーンでは梯子やパレット(資材なんかをリフトで上げ下げする時に使う)、さらにはその辺の石なんかを突破口に使ったりして感心した。パレットは勤めている会社に山ほど積んである親しみあるアイテムだったので、最近は観るたびに思い出してる。こんな使い方あるんだ、考えた人すごい。

アクションでアドレナリンが出て興奮したり、幼なじみたちの友情や仲間たちの想いにうるっとしたり…125分があっという間だったし、エンドロールまでぎっちり泣かせる映像が詰まってた。息つく暇もなかった。

 

終わって放心ぎみではとさんにDMを送り付けました。(旅行中だったのにすみません。)

さっき見返したら「体感10秒だった」と送ってました。

 

 

ザワの良かったところ、好きなところ、好きなキャラ、、挙げ始めるとキリがない。鬼邪高、鳳仙、団地の幼なじみたち…それぞれに良いキャラ・良いエピソードがたくさんある。「文字数削らないで」と言われましたが、そうするとシーンごとに話し始めてしまう…誠司のきゅうり演説の話までするハメになる…。

 

早いところ鬼邪高定時の頭・村山良樹の話に移ります。

 

 

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真ん中の人が村山さん。

 

 

あっでも待って、その前にこれだけは言いたい、鳳仙学園・四天王の小田島有剣がすごいです。

 

 

 

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このビジュアルですよ、このビジュアル。100億点。このビジュアルで「およよ」とか「やっておしまい」とか言っちゃうし、トップスゆるゆる着て肩見えてるし。

 

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こんなの、好きにならないわけがない。まさに鳳仙の頭、上田佐智雄渾身の台詞「ここまでされたんだぞ!」と言いたい。(汎用性高い決め台詞)

 

そんな小田島、鬼邪高と鳳仙が激突する河川敷のシーンで轟くんとやり合います。観てるこっちが瀕死。この2人、終盤の団地戦でも並ぶシーンあるんでそこでまた瀕死になります。ちなみに轟くんと小田島の中の2人は公開から2ヵ月経った今でもSNSのやり取りなどで我々を翻弄してきます。上映終了間際にザワを観たわたしでさえ現在進行形で彼らが投下するものにやられています(2人でディズニーランド行くフラグ立ててきたので是非とも回収してほしい)、相当ですよ。この記事が公開される翌日には2人の対談がananに掲載されます。自分がそれを見て息をしている自信はありませんがばっちり予約しました。

 

 

はい。話を戻します。 

鬼邪高定時の頭、村山さんの話です。

 

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にこにこしながら狂気じみた役がそもそも好きなんですが、もちろんそれだけじゃない村山さんの魅力。

喧嘩が強くてみんなのリーダー、愛嬌があって懐っこいところ。SWORDそれぞれのリーダーをちゃん付けで呼んだり(コブラちゃんとか日向ちゃんとか)、登場するシーンで決めポーズやったりするところ。でも明るく楽しいキャラクターなだけじゃない、ザワでもこれまでのシリーズでも、SWORDや仲間・全日の後輩たちのためにみんなに見えないところで何かと尽力する、熱い気持ちを持っているところ。

そして、自分を追いかける・かつての自分によく似た轟に「お前このままじゃいけないよ」と道を示そうとするところ…。

 

…轟と村山さんの関係について語り始めると1万字を超えるどころか卒論並みの長さになる気がするので、2人の話は傍に置いておきます…

 

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左の眼帯をした麗しいのが轟くんです。

 

ドラマ・ハイロー映画を観てからザワ観るとこの2人の 関係性のただならなさ(轟、途中まで村山さんしか見てない)に、わたしの2019年下半期はすべて持って行かれました。(ちなみに上半期をすべて持って行ったのは不汗党(邦題:名もなき野良犬の輪舞)のジェホとヒョンスです。つくづく、わたしは「互いの出会いによって良くも悪くも運命が変わってしまうけど、その交わりは束の間」みたいな関係性が好きだなと思う。)

 

村山良樹というキャラクターをいかに山田くんが作ってきたか、わたしはリアルタイムで追いかけてはいないけど、 少し前のインタビューでこんなことを話してます。

 

3年演じているからこそアドリブも多いんですけど、それがどんどん採用されて、次の脚本に反映されて、自分でキャラクターを“作っていく”感覚がすごいです。全員がそれをやっていて、“全員主役“ってこういうことなんだなと思います。

 

mdpr.jp

 

アドリブが多いよって話は聞いてたけど、インタビューやパンフレット読んでみてびっくりした。わたしが好きだと思ってた台詞ややりとりが結構アドリブだった。「村山さんのこういうところが魅力的」だと思ったところも元はアドリブ。脚本だけじゃなく、演じる人間もキャラクターを一緒に作ってきたことが、ハイローシリーズを通じてよく分かった。

 

ザワのエンドロールでは、村山さんと山田くんから鬼邪高への愛の言葉が流れる、たった一言。その言葉も色んなパターンを書いて山田くんと監督で選んだとのこと(パンフレットより)。

パンフレットにあるインタビューだから載せられないけど、山田くんがどれだけ村山良樹というキャラクターに自分自身を重ねて大事に演じてきたか語られていた。でもそれを読む前から、その愛情がそこかしこから伝わってた。

鬼邪高キャストのみんなとも作り上げてきた鬼邪高と村山良樹というキャラクター。ザワはその時代の集大成と次の世代へとバトンタッチする節目の作品だったのかな、とザワから入ったわたしだけど、そう感じます。

自分たちが作り上げてきた鬼邪高を、次の世代へと託す想いが、最後の最後までぎゅうぎゅう詰まってた。

 

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山田裕貴という役者のことをわたしは前から知ってたし、彼が演じる作品を観てもいたけど、村山良樹を演じる彼をスクリーンで観ることができてほんとに良かったと思ったし、彼が役と向き合う姿勢をこの作品を通して知れて良かったとも思った。

 

 

 

舞台「終わりのない」を観る

 

 

ザワ2回目観たあとはとさんとやりとりしていた時舞台の話をしてくれて、気になって調べるとちょうど一週間後に兵庫でも公演があると知りました。

このタイミング、運命かと思いました。時々すごいタイミングが重なることありませんか?わたしはそういう時「これは運命」と思って迷わないことにしています。チケットは完売していたのですが幸運にも譲ってくださる方と巡り会い(ほらやっぱり運命だ!と思いました)、11月23日の公演を観ることができました。

何より観劇好きで推しがいる母のお陰です(オケピ教えてくれた)。持つべきは同じ趣味を持つ母、ありがとうございます。

 

この記事を公開する頃には地方公演も終わっているんですが、一応あらすじと公式トレーラーを載せておきます。これに関してはちょっとネタバレしています。

 

18歳の悠理は旅の途中で目的地を見失い、立ち止まっていた。自分はなぜここにいるのだろう。悠理は自分の人生を振り返ってみる。短いけれど、沢山の楽しいことや辛いことがあった。恋愛もした。死にかけたこともあった。尊敬できる両親に、いつも気にかけてくれる友達もいる。かつて僕は世界と一体で、完全だった。でも今は違う。ある日、悠里は両親と友達に、湖畔のキャンプに連れ出される。立ち止まったままの悠理には、時間だけが通り過ぎていくように思える。過去に思いを馳せていると、いつの間にか悠理の意識はキャンプ場を離れ、見知らぬところで目を覚ます。そこははるか未来の宇宙船の中。その船は人類の新たな故郷を目指して旅を続ける、巨大な入植船だった。32世紀のユーリとして目覚めた悠理は、自分が誰で、どこにいるのかも分からない。宇宙船から逃げ出した悠理の意識は、宇宙空間を漂い、地球によく似た見知らぬ惑星で目を覚ます。自分そっくりの肉体の中で。奇妙な旅を経て、悠理の意識は再びキャンプ場に戻ってくるが、その世界は自分の知っている世界とは少し違っていた。自分はなぜここにいるのだろう。帰りたい。悠理は自分の世界で、目的地を探そうとする。
(世田谷パブリックシアターHPより)

 


『終わりのない』トレーラー

 

 

 

イキウメも前川知大さんも初めて知りました。「散歩する侵略者」ってもとは舞台だったんですね。びっくりした。

譲っていただいた席がめちゃくちゃ近くて、役者の表情までちゃんと確認できる距離で観れました。

 

  後から気づいたけど、大好きな役者が舞台に立って目の前で演じているのを観たのはこれが初めてだった。今まで何度か舞台観劇する機会はあったけど、推しが演じているところを生で観る、なんて経験はなかった。彼が出す声―笑い声も泣く声も―そして呼吸音も、画面を通さずに直接届いてる。初めて舞台観たわけでもないのに、そのことにすごく感動してしまった。

 

SFが特別好きというわけじゃないけど、「アベンジャーズ:エンドゲーム」で学んだマルチユニバースや「エリザベス∞エクスペリメント」で観た内容もあって、疑問に思うことも少なかった、日頃から色んな映画観ててよかった。

仲村トオルさん演じる父が語る環境保護・気候変動の話題がタイムリーなこと、村岡希美さん演じる母の「内助の功とかマジファ○クだから」という台詞がめちゃくちゃ良かったこと、悠理の両親の関係性が対等な夫婦感があったのも好印象。

 

山田くんは主人公・悠理役だったので、ほぼずっと舞台に立っていたけど、あと1分1秒でも長く、彼が舞台に立って演じているところを見続けたい、終わらないでほしい…と思ってた。ずっと惹きつけられていた。彼が演じた悠理はどこか脆く不安定な印象があって、その表現がこちらの肌にヒリヒリする痛みのように伝わってくる。笑うと安心するし、泣くと不安になる。まるで、悠理のことずっと前から知ってるような、親しい間柄のような。そんな気持ちで、悠理の旅を見つめてた。

  

18歳の悠理が気づくと3000年代の宇宙船に、次は知らない星に、そして見慣れた時代に、かと思えば…という感じで、いくつかの世界をほんの少しの間旅する。 

悠理は最後には元いた自分自身の世界へ戻れるんだけど、それはもしかしたら、残酷なことだったかもしれない。 
広大な、果てのない(あるかもしれない)宇宙へ飛び出し、いくつかの世界を回っても、悠理はこの旅で自分のやりたいことを見つけたわけじゃない。 帰りたいと願い続けた元の世界は何も変わらず、悠理にとっては辛い現実が待っている。 
両親の関係は解消され、幼馴染たちはそれぞれの夢に向かって進む。悠理はこれからひとりになるし、大切な人を傷つけ失った過去も変わらない。 
いくつかの世界を回っていくつかのユーリ(自分と同じだけど"同じ"じゃない)を経ても、「この自分」であることに変わりはない。容れ物が違っているだけで、どんな世界に行こうと自分自身と切り離すことはできなかった。

 

最後の彼の慟哭は、その現実の重さ、それに対する不安や恐怖、彼が抱える孤独の色濃さが聞こえてくるみたいだった。

 

 人間は別人にはなれないし、そんなに簡単にすぐには変われない。 どんなに嫌で殺したいと思う自分でも、その自分からは逃げられない。広い広い宇宙へ飛び出しても、たどり着くのは「自分」という存在と良くも悪くも最期の最期まで共にいるというところ。その孤独と、ほんの少しの心強さ。あの旅を経た悠理を見ていて痛感した。 

それは辛いことだけど、それを知った悠理のこれからはたとえ世界が変わっていなくても、彼はもう前とは違うんじゃないかな。

 最後の「これは人類の物語だ」という台詞(ちょっとうろ覚えなので違うかもしれないけどそのようなこと)を聞いて、これは悠理の物語であり、観ているわたしの物語でもあるんだなと思った。

絶望の底をさまよったら、あとは上がっていくだけ。最後の悠理のまっすぐな視線を見つめてそう感じた。見つめながら泣いた。

 

カーテンコールで観客からの拍手を浴びていた山田くんは、まだどこか悠理のままのような、心ここにあらず、みたいな表情だった。カーテンコールは3回あって、3回目はスタンディングオベーション、その時やっと少し笑っていた。その表情が今も忘れられない。 

 

生でこの作品観れて本当に良かった。なんとなく、今の自分に必要なメッセージが込められていたような気がして。「終わりのない」というひとつの作品、山田裕貴という一人の役者の演技、ずっと忘れない。

 

 

 おわりに

 

冒頭でも書いたけど、ザワは普段自分が観てるジャンルとはかなり離れていた。邦画を映画館で観ることなんてほぼなかったし、LDHグループも全然分からなかった。

11月12日までの自分なら想像もしなかった。自分がLDH所属アーティストの曲をプレイリストに追加する日が来るなんて(THE RAMPAGE from EXILE TRIBEの"SWAG & PRIDE"毎日聴いてる)。中の人たちが封切りから2ヵ月経ってもまだ投下してくる燃料に毎日翻弄されるなんて。

 

自分が好きなものとかけ離れているから好きになることはないだろう・観なくてもいいかな、と思って避けていたものを観た。そしてめちゃくちゃ好きになって、その縁で舞台を観て、めちゃくちゃ感動してひとりの役者をもっと好きになった。

 

そして気づいた、「好きになることはないだろう」って勝手に決めつけてただけだった。

 

 年明けに昨年春から闘病していた大好きな祖父が亡くなったり、長いことずっと好きだったバンドが解散したり、思えば今年は落ち込むようなほうに心が動く出来事が多かった。
そういうことが続くと、わたしは心を動かさないように色んなものに触れることを避けたり考えないようにする。気づけば今年大きく心動いたのは6月に不汗党を観たことくらいだった。
心を動かすのは楽しいことばかりじゃない。辛いものに心を動かされてばかりだったわたしは疲れ果てていた。別に毎日それなりに過ごしていたけど、何かに触れても心を大きく動かさないようにブレーキをかけていた気がする。

でも、ザワにクラッシュして思い出した、心が動いて何かを好きになることの喜びと楽しさを。そして山田裕貴くんの舞台を観て思い出した、気になるもの・心惹かれるもののために身体を動かした先で得られる感動を。

 

これからはもっとアンテナ張って手を伸ばしていこうと思いました。

どこに自分が好きになるものがあるか分からないもんね。

 

ザワにクラッシュしてからTHE RAMPAGEの曲をプレイリストに入れて、LDHグループのパフォーマンスをちゃんと観たくて音楽番組録画して、それに出てたBTSにまでクラッシュしている年の瀬。今ここ。コンサート映像を観てすっかりハマってしまった。来年はBTSのコンサートにも行きたい。

 


BTS Performs ‘Boy With Luv’

 

あれ?今まで自分が決めつけて触れもしてこなかったところから心動かされたものが増えてる。楽しい。ちなみに来年、轟くん役の前田公輝くんが出演する舞台を観に行きます。チケットが取れたら小田島役の塩野瑛久くんの舞台も。

 

 

 色んな事があった2019年だけど、大事なことを思い出して2020年に向かえそうです。

来年はもっとたくさん動いていけたらいいな。

 

最後にもう一度。はとさん、楽しい企画をありがとうございます。

ハッシュタグ・ぽっぽアドベントで素敵なお話がたくさん読めますし、ザワについては私の前にも、この後にも書かれる方がいらっしゃいます。色んな人のザワの話が読めるのが嬉しい。

 

ではみなさま、良い12月を。